老人ホームにおける入居者のプライバシー保護の問題について

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質の高い高齢者介護の維持には老人ホームなどの介護施設が不可欠とされています。専門職の人による適切な介護が高齢者の快適な暮らしには不可欠ですが、その一方で介護施設特有の問題も無視できません。中でもプライバシー保護は多くの介護施設が抱える問題であり、重大なトラブルに至るケースもあります。

のびのびとした暮らしを営むためにも介護施設におけるプライバシー保護のあり方について学びましょう。

高齢者介護施設は入居者への見守りが基本だが問題もある

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老人ホームなどの高齢者向け介護施設では職員による見守りが普通に行われています。高齢者は加齢や病気によって身体機能が低下しているため、本人に自覚がなくても生活の中で危険に晒されているケースが少なくありません。

重大なトラブルを未然に防ぐためにも施設職員による見守りが不可欠と言えます。こまめに状況を確認するのは安全を確保するための最適な行為ですが、その一方で高齢者にとっては他人である施設職員に自分の行動を逐一見張られる形になります。

人によっては大きなストレスになってしまうこともあるので、老人ホームへの入居が必ずしもすべての高齢者にとって最善の選択であるとは断言できません。

入居者のプライバシー保護と安全管理の両立の難しさについて

高齢者介護に多く見られる問題としてプライバシー保護と安全管理の両立があります。老人ホームなどの介護施設は基本的に他から隔絶されたスペースが存在しません。入居者ごとに個室が用意されている施設もありますが、それでも内側から施錠ができないなどの工夫が施されています。

入居者の突然の体調不良など、介護施設ではいつ重大なトラブルが生じてもおかしくありません。迅速に対処するためにも常に入居者の状況を確認できる環境を保つことが重要と言えます。そのため、老人ホームなどの介護施設では自宅のようなプライバシー保護を期待できないと言っても過言ではありません。

その一方で入居者である高齢者の多くは介護施設を自宅と同じ終の棲家と認識しています。自宅と同じ環境でありながら個人のプライバシーが守られない状況は大きなストレスであり、決して暮らしやすい場とは言えません。

他人に覗き見される生活を煩わしく感じるようになり、遂には老人ホームからの退去を求めるケースもあります。このような事態を避けるためにも入居者のプライバシー保護は決して軽視していけません。周りからの干渉を完全に遮断することは安全管理の面から見て不可能ですが、他人である施設職員の視線を感じさせないように工夫することはできます。

カーテンや仕切り板など目隠し効果が高く、移動が容易な遮へい物を使うのが入居者のストレス軽減に効果的です。見守り行為も大きな音や振動を発生させないなど、施設職員ひとりひとりの気配りが求められます。

入居者同士のトラブルを防ぐことも重要

介護施設では入居者同士のトラブルも少なくありません。入居する高齢者にとっては施設職員と同様に他の入居者も他人であり、生活の場を他人と共有することを嫌がる人も存在します。相性の良し悪しは避けられないことであり、どのような介護施設でも入居者同士のトラブルが生じる可能性は否定できません。

特に多いのがプライバシーへの過剰な干渉によるトラブルで、場合によっては施設での生活が困難になることもあります。老人ホームは入居者同士が助け合って共同生活を営むことを目的とした介護施設なので、ある程度の干渉はやむを得ないと言えます。

その一方で過剰な干渉を迷惑に感じるのも自然であることから、発生したトラブルをどう解決するかが介護施設の評価を左右します。入居者同士のトラブルを頭ごなしに抑えつけるのは決して最善の方法ではありません。なぜトラブルが発生したのか、当事者に問題があるのかを正しく判断できなければ似たようなトラブルが頻発します。

その都度、頭ごなしに抑えつけるだけではその場しのぎにしかならず、根本的な解決には至りません。入居者のストレスも増大し、生活環境の悪化に繋がります。快適に生活してもらうにはトラブルが生じた理由を正しく認識し、再発を防ぐための対処が重要です。

他者との適度なコミュニケーションがプライバシーの問題解決に繋がる

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老人ホームで入居者がプライバシーを侵害されていると感じるのは、施設職員や他の入居者を信頼していないのが理由とも言えます。自分以外の人がどれだけ干渉するとプライバシーを侵害されたかと感じるのは人それぞれですが、それでも身近な人ほど侵害されたとは感じにくくなるのが普通です。

一般的には家族や親しい友人ならある程度の干渉を受けてもプライバシーを侵害されたとは感じません。その一方で顔や名前を知っている程度の他人なら少しの干渉でもプライバシーを侵害されたと感じる傾向があります。同じ干渉でも本人との関係の違いがプライバシーの侵害の有無を左右すると言っても過言ではありません。

この点を踏まえて見ると、老人ホームなどの介護施設での暮らしやすさは施設職員や他の入居者との関係性が重要と言えます。親しい間柄なら干渉の度合いが深くても不快に感じることはほとんどありません。逆に不仲であったり関わりが少ないとわすかな干渉でも非常に不快な思いをします。

介護施設で快適に暮らすには他の人との友好的な繋がりが欠かせません。

プライバシー保護の方法と問題点の詳細

老人ホームの居住スペースは大別すると個室と多床室があります。このうち、多床室は複数の入居者が一つの部屋を共有する形になるのでプライベートな空間を保つのは非常に困難です。食事や排せつ、就寝などの行為も同じ空間で行うことがあるのでストレスが溜まりやすいと言えます。

施設の規模や費用などの理由ですべての入居者が個室を利用できるわけではありません。多床室でもできるだけプライバシーが守られるように様々な方法で工夫されています。遮へい物を置く、介助作業の時間をずらすなどの方法が一般的ですが、それでも個室のように完全なプライバシー保護に至るとは言えません。

そのため、入居者同士が友好的な関係になり、ある程度の干渉を容認できる状況を整えることが重要になります。

共同生活の場で個人のプライバシーを尊重することの難しさ

老人ホームは生活の場を複数の入居者が共有します。また、安全のために施設職員が常駐して見守っているので、自宅のようにプライバシーが完全に守られる環境とは言い切れません。それでもできるだけストレスを感じさせないように、介護施設では様々な方法で工夫されています。

また、入居する高齢者の側も他の人と友好的な関係を構築する姿勢が求められます。

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